DeepSeekは、一般ユーザー向けAIアシスタントと開発者向けモデル基盤の両方を提供します。2026年8月時点のAPI主力はDeepSeek V4です。deepseek-v4-flashは低コスト・高スループット、deepseek-v4-proは難しい推論やエージェント作業向けです。両方とも100万トークンのコンテキスト、思考/非思考モード、ツール呼び出し、JSON出力、OpenAI互換Chat Completions、Anthropic形式のエンドポイントを備えます。
V3(2024年)やR1(2025年)の説明を、現在提供中のAPI仕様と混同しないことが重要です。R1の強化学習による推論は技術史上重要ですが、V4の別名ではありません。旧IDのdeepseek-chatとdeepseek-reasonerは2026年7月24日以降に利用できなくなる予定でした。新規実装では明示的なV4 IDを使います。
現在のV4モデルとAPI
| 判断項目 | V4 Flash | V4 Pro | 実務上の意味 |
|---|---|---|---|
| モデルID | deepseek-v4-flash | deepseek-v4-pro | 旧エイリアスではなく明示IDを固定 |
| モデル規模 | 総284B/活性13B | 総1.6T/活性49B | MoEの総パラメータ数だけで品質は決まらない |
| コンテキスト/最大出力 | 1M/最大384K | 1M/最大384K | 容量は検索精度の保証ではない |
| モード | 思考・非思考、初期値は思考 | 思考・非思考、初期値は思考 | 単純処理では思考を切る選択肢 |
| 確認時の同時実行上限 | 2,500 | 500 | 大量処理はFlashから検証 |
OpenAI互換のベースURLはhttps://api.deepseek.com、Anthropic形式はhttps://api.deepseek.com/anthropicです。形式互換は移行を助けますが、推論フィールド、ツール状態、token計測、挙動まで同一になるわけではありません。
token単価より承認済み成果物のコスト
2026年8月20日に確認した公式価格では、V4 Flashの100万token当たりのキャッシュヒット入力/ミス入力/出力は$0.0028/$0.14/$0.28、V4 Proは$0.003625/$0.435/$0.87です。推論trace、再試行、ツール結果、未キャッシュ部分、保存、評価、人手レビューを加えた総額で判断します。価格は変動するため、購入時は公式ページと実アカウントが基準です。
安定したシステム指示や参照前置きを再利用し、実際のキャッシュヒット率を記録します。割引目的で無関係な文脈を増やすと、安いtokenが高い確認工数に変わります。
| 処理 | 開始モデル | 切り替え条件 | 測る指標 |
|---|---|---|---|
| 分類・抽出・書き換え | Flash・非思考 | 構造/事実の合格率不足 | 承認レコード単価と遅延 |
| 社内知識アシスタント | Flash+検索 | 難しい証拠統合に失敗 | 引用、棄却、修正時間 |
| コード/ツールエージェント | Flash思考で試験 | 横断計画やデバッグでProが優位 | テスト、diff、ツールエラー |
| 数学・複雑分析 | Pro思考 | 人または別モデルの確認が残る | 説明量ではなく課題成功率 |
| 超長文書 | まず検索方式を基準化 | 長窓で合格率が実際に上がる | 位置別再現、矛盾、遅延、総費用 |
思考モードとツール状態
V4は思考モードが初期値です。現在の推論強度はhighまたはmaxに対応し、思考中はtemperatureやtop_pなどが効きません。思考応答がツールを呼んだ場合、そのreasoning_contentを次の文脈へ戻す必要があります。ツールなしの通常ターンでは過去の推論を戻す必要はありません。SDK出力の無条件連結は避けます。
- 必要最小限のツールと引数だけを公開する。
- 本人確認、権限、金額、業務規則はサーバー側で検証する。
- コード実行、送信、購入、削除、本番変更には承認を置く。
- ループ、token、時間、費用に上限を設ける。
- モデルID、思考設定、引数、承認、実結果を保存する。
- モデル、prompt、検索の変更前に固定評価セットを再生する。
ベータのstrict tool modeはJSON Schemaへの適合を助けますが、権限や業務上の妥当性は判断できません。構文の正しさを許可と見なしてはいけません。
100万tokenは容量であり記憶保証ではない
V4は圧縮・疎なattentionで長文時のKV cacheと計算量を抑える設計です。公式モデルカードとHugging Faceの独立解説は、ツール履歴が長くなるエージェントに有用だと分析しています。
ただし100万tokenを受け取れることは、中盤の条項の発見、版の矛盾解消、prompt injection耐性、初期制約の維持を保証しません。情報を先頭・中央・末尾に置き、重複と矛盾を加え、根拠箇所を要求し、検索+短い文脈と比較します。
Web、ホストAPI、オープンウェイト
| 形態 | 適合 | 主な境界 | 追加する管理 |
|---|---|---|---|
| Web/App | 探索、下書き、単発分析 | 消費者向け規約と利用制限 | 秘密を入れず重要事項を検証 |
| ホストAPI | 製品、Automation、Agent | 事業者依存、価格変更、データ責任 | サーバー鍵、予算、評価、保持確認 |
| V4自社運用 | 大規模基盤を運用でき、管理権が必要 | FlashもProもノートPC級ではない | 容量、hardening、監視、更新、安全層 |
| 蒸留/旧モデル | 小型機器や限定タスク | 能力、文脈、licenseがV4と異なる | 正確なcheckpoint名を表示 |
V4モデルカードはMITでオープンウェイトを公開しています。しかしProは総1.6T、Flashでも総284BのMoEです。分散accelerator、serving基盤、精度/量子化、監視とsecurityが必要です。オープンウェイトは入力データの権利や出力責任まで与えるものではありません。
プライバシーとガバナンス
DeepSeekの消費者向けプライバシーポリシーは、prompt、ファイル、写真、feedback、履歴を収集し得ること、個人データを中国国内で直接処理・保存し得ることを説明しています。一方、オープンプラットフォームで開発者が作るアプリのエンドユーザー処理はその通知の対象外で、開発者が告知すべきとしています。Chatの文書だけでAPIの保持・地域条件を推測してはいけません。
- 送信前にデータ分類し、秘密鍵、資格情報、不要な機微情報を除く。
- 検索と全ツール呼び出しでtenant権限を再確認する。
- 管理者/処理者、地域、保持、削除、logアクセスを文書化する。
- 機密・規制対象用途は法務、security、調達の審査を通す。
- 流暢さを根拠にせず、権威あるシステムで結果を検証する。
隣接する選択肢との比較
| 選択肢 | 候補にする理由 | 検証する弱点 | 向く評価 |
|---|---|---|---|
| DeepSeek V4 | 低い公表API価格、open weights、1M、二つの推論mode | データ統治、状態処理、自社運用規模 | 長文/Agentの合格成果単価 |
| OpenAI platform | 広いmultimodal API、tools、製品群 | モデル・機能・価格、closed依存 | 同一タスクと同じ証拠基準 |
| Anthropic Claude | coding agentとAnthropic API ecosystem | 形式互換は挙動互換ではない | repository成功、tool安全、修正時間 |
| Google Gemini | Google製品/cloud統合、multimodal長文 | surface・region・model差 | 文書、media、enterprise cloud |
| Qwen等のself-host family | sizeが多くhardwareに合わせやすい | checkpointごとに能力とlicenseが違う | 対象機器のthroughputと私有task品質 |
結論として、DeepSeekの強みは「常に特定のclosed modelより上」ではなく、低いhosted価格、V4 open weights、効率的な長文が同時に存在することです。まずFlashを使い、実タスク評価で差が出た難問だけProへrouteします。self-hostはcontrolや継続規模が運用負担を上回る場合に限定すべきです。
よくある質問
DeepSeekは無料ですか?
consumer chatには無料利用枠があり得ますが上限は変動します。APIは従量課金です。self-hostはtoken課金がなくてもhardware、電力、engineering、security費用が発生します。
deepseek-chat/reasonerはまだ使えますか?
新規実装では使わないでください。公式は2026年7月24日以降の停止を案内しました。明示的なV4 Flash/Pro IDとlive model listを確認します。
FlashとProのどちらから始めますか?
抽出、support、通常code、大量処理はFlashから。代表的評価でProの合格率が追加費用と低い同時実行数を正当化するときだけ切り替えます。
1M contextはRAGを不要にしますか?
いいえ。検索はfreshness、permission、evidence、latency、debug性を改善できます。同じ実タスクでfull contextとretrievalを比較します。
ローカルで実行できますか?
V4 weightsは公開されていますが、完全版は大規模分散基盤向けです。小型・蒸留モデルは運用しやすい一方、現行V4 APIとは別物です。
機密データに使えますか?
契約、account control、processing region、保持、削除、access、法令を審査します。秘密を送らず、最小化します。self-hostもgovernance責任を消しません。
確認した情報源
- DeepSeek V4 release and API migration notice
- DeepSeek API models and live pricing
- DeepSeek thinking-mode guide
- DeepSeek tool-calling guide
- DeepSeek privacy policy, updated February 10, 2026
- Official DeepSeek V4 model card and weights
- Hugging Face technical analysis of DeepSeek V4 long-context efficiency
- DeepSeek-R1 technical paper on reinforcement-learning-based reasoning
独立確認日:2026年8月20日。価格、モデルID、上限、policy、提供状況は変わるため、導入前に公式文書と実アカウントを確認してください。




